■CB750FCの発電について

●概要
 CB750FCの発電方式はフィールド・コイルがローター,3相スター結線の発電コイルがステーター側の3相ACジェネレータです.出力は6個のシリコン・ダイオードによる全波整流です.
 サービス・マニュアルによるとスペックは下記の通りです.最大出力電力は260W(14.5V,18A@5000rpm)です:

回転数出力電流
アイドリング規定なし
1500rpm6.5A以上
5000rpm18A以上

 また,サービス・マニュアルによれば充電開始回転数は,ハイ・ビームにて1700rpmです.

●改良箇所
 オリジナルのレギュレータ・レクチファイヤは新電元工業製で,整流ダイオードの順方向電圧降下は0.97V@6Aあります.これは3相全波整流に換算して,1.94V@18Aです.いっぽう自作の低損失レギュレータ・レクチファイヤ(ARR-1)に使用した整流用パワー・ショットキー・ダイオードC10P05Q(日本インター製)は,実測で0.47V@6A,3相全波整流に換算して0.94V@18Aです.つまり純正は最大出力18A時に34.9Wの損失がありますが,パワー・ショットキー・ダイオードにすれば16.92Wと損失は半分以下(48%)になります.最大出力時に18Wの節約です.

 
取り外した純正レギュレータ・レクチファイヤ(左)と自作の低損失レギュレータ・レクチファイヤARR-1(右)


整流用パワー・ショットキー・ダイオードC10P05Qの順方向電圧降下を実測中
(小型のヒートシンクを付けたが6A流すと3分間でかなり暖かくなる)

 あれっ?苦労した割に消費電力の節約量はたかだか18Wしかありません.これならメーター照明の3.5W球4個をLED化して14Wを節約するのと大差ありません.いえいえ,発電機からの出力電圧が1V上がることが重要です.たった1Vですが,そのおかげでアイドリングから充電可能になりました.
 エンジン始動直後しばらくは信号待ちでSB-8のディジタル電圧表示を見ていると,停車中でもジリジリとバッテリ電圧が上昇してくるのがわかります(^^)

条件単位改良前改良後
ヘッドライトOFFヘッドライトONヘッドライトOFFDDL-ONヘッドライトON
充電開始回転数rpm150017001000(idle)1400(後日)
充放電電流@1000rpmA(後日)(後日)+2.0−2.6±0
充放電電流@2000rpmA(後日)(後日)+3.5(後日)(後日)
充放電電流@3000rpmA(後日)(後日)(後日)(後日)(後日)


+側バッテリ端子の配線をDCクランプ・プローブで挟んで充放電電流を測定中のようす



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