今から20年ほど前の話です。怖かったお話を思い出すと、
いくつかありました。その一つです。
CB750Fに乗り始めた頃は、乗っているだけで楽しくて、
週末を利用してあちこち遠出したものです。
そのうち大田区から奥多摩とか、大田区から湘南海岸と
いった近場では満足できなくなりました。
当時は社会人になりたてで、お金もないので、
高速道路は使っていませんでした。そもそも
当時マイカーを持っていなかったので、高速道路への
入り方すら知りませんでした!(^^)
また、バイクツアーで宿泊したことがなかったので、
高速道路を一切使わず、とにかく日帰りで可能な最長のツーリング
を計画しました。
朝4時ごろに大田区を出発し、R17、軽井沢、R18を経由して
新潟県の直江津港まで行って海を見、その日のうちにR18、関ヶ原、
軽井沢、R17を経由して大田区に戻ってくる−−そんな計画です。
季節は初夏で、天気は晴れ。軽井沢到着は9:00。うっすら霧がでていました。
喫茶店でモーニングを食べて、さらに北上します。
とにかくスピードを出さず、制限速度内で、信号の少ない山道を
トロトロ走り続けるのは快感でした。
このときの燃費はリッターあたり24km近くもあって、現在に至るまで
燃費の最高を記録しました。実際、走行中も燃料節約のために、
下り坂でクラッチを切って惰性走行したり、できるだけトップ・ギヤで
アクセルをふかさずに走行し続けました。
直江津港到着は15:00。ここで遅い昼食として港の食堂でカレーライスを
食べて帰路につきました。
帰りは少し浮気心を出して関ヶ原の古戦場に立ち寄りました。せいぜい
15分ぐらいの休憩です。ここまでは天候に恵まれていました。
そしてR18を経由して軽井沢へ。
軽井沢にさしかかるあたりで雲行きが怪しくなってきました。そして旧道に
入る頃には大雨です。
行きはマイペースでゆっくり走っていたのに、帰りはダンプトラックに
追い立てられる羽目になりました。帰り道はダンプ街道だったようで、
何台ものダンプが走ってきます。
旧道はつづら折りです。大雨の中、雨合羽を着て走り続けました。
夕暮れがせまり、さらにヘルメット内が曇って、視界は最悪です。
しかしダンプトラックが追い上げてくるのです。私にとっては
初めての慣れない道で、しかもつづら折りの山道、大雨のうえ
ヘルメット内が曇って、そんななか時速40〜60kmぐらいで走り続けた
でしょうか。もはや生きた心地がしません。
彼らにしてみれば、普段は生意気にトラックを追い越していく
ナナハンが、大雨の中でスピードを出せずにもたもた走っているので、
普段のうっぷんを晴らすために追い上げていたのかもしれないと
思います。
怖くなったのでスピードを落としてトラックをやり過ごそうとしたら、
トラックが意識してか知らずか幅寄せしてきます。私はガードレールと
トラックのタイヤに挟まれるか、路肩に激突しそうでした。
危険を感じたので停車し、しばらく待って、完全にダンプトラック軍団をやりすごしました。
初夏だったので梅雨の雨雲だったと思います。たまたま出発時は梅雨の晴れ間
だったようです。
その後も雨は止まず。
またもやマイカーや商業車に追い立てられつつも、なんとか事故ることなく山道をクリアしました。
結果的に翌日の0:50ぐらいに帰宅できました。まぁ途中の短い食事時間を
除けば、ほぼ連続して20時間ぐらい走ったことになるでしょう。
若い頃はろくに食事も取らず、休憩もせずに長時間連続走行したものだと
しみじみ思います。
<教訓>
無理な日帰りツアーは止めよう!(^^)/
疲れる前に休憩しよう!
ちゃんと食事を取ろう! さもないと立ちゴケする。
危険を感じたら停車しよう! さもないといつかは事故を起こすか、事故に巻き込まれる。
「無事」こそベスト。退屈なぐらいがちょうど良い。