▼まさみさん:
>ツーリング先でCB750Fの定番故障レギュレターのパンクで動けなくなるのが怖いので MOSFETにしたいということです
「CB750Fの定番故障レギュレターのパンク」というのをネット上でよくみかけます.しかし,実はレギュレータが本当に壊れていた例は少ないのではないかと想像しています.
この手の故障は「レギュレータが壊れていたから交換した」というのはまれで,ほとんどは発電系が不調なので,その原因追及のために,試しにレギュレータを交換してみたというのが実態なのではないかと考えています.
もっと故障確率が高いと考えられるのはステータ・コイルの不良です.ステータ・コイルはエンジンボディに密着していますし,オイルからの発熱も受けます.さらに発電中はステータ・コイル自身も発熱します.このため絶縁樹脂が熱で溶けてレアーショートすることが多いのです.
私は20年以上,純正レギュレータ(レギュレート・レクチファイヤ)を使ってきましたが,壊れたことは一度もありませんでした.一方,ステータ・コイルはレアー・ショートで2回交換しています.
>ただ壊れないようにしたいというのが趣旨です
純正レギュレータが壊れないようにするのが目的であれば,純正レギュレータの放熱を確保するのが一番であるように思います.
CB750Fのレギュレータは,整流器と一体化したレギュレート・レクチファイヤです.故障確率が高いと考えられるのは,レクチファイヤ部分です.レクチファイヤには各相あたり最大6Aが流れるので,発電中はけっこう発熱します.レクチファイヤの実態は6個のシリコン・ダイオードです.比較的高熱には強いものの,半導体の接合部分の温度が100℃を超えると信頼性が下がり始め,150℃を超えるような使い方は望ましくありません.
レギュレータは通気性のあまり良くない場所に設置されているのですが,移設するのは面倒だと思います.汚れが堆積しないように,ときどき掃除したほうが良いだろうと思います.
発熱量を減らせば,レギュレート・レクチファイヤの寿命は延び,故障する確率も減るはずです.
これはアイデアだけで,まだ実施したことがないのですが,純正レギュレート・レクチファイヤの内蔵レクチファイヤ(シリコン・ダイオード)と並列にショットキー・バリヤ・ダイオードを接続して,発電効率を上げるとともに発熱を減らして信頼性を高める方法が考えられます.
この方法なら純正の回路に後付けするだけなので,工作もシンプルで済むでしょう.